普段、ぐるぐる思考や極度に強い不安感に悩まされている方へ


強迫性障害との良好なお付き合いの仕方のポイントは3つあります。

それぞれ、今からご紹介させていただきますね。



1つ目  暴露反応妨害法(エクスポージャー)


いきなりですが 皆さんは、この手法 聞いたことありますでしょうか? 
この手法の会得が強迫性障害を克服するのに、とてもとても重要なカギとなってきます。
認知行動療法の一種にあたります。

不安を引き起こす考えに敢えて直面・突入し強迫行為をしないようにする訓練のことを言います。


暴露 … あえてです あえて不安を引き起こしてしまう状況に直面する

反応妨害
いつもその不安を鎮めるために、人前で隠れてまでやってしまうことの多い強迫行為
をせずに我慢する



具体的には、例えば不潔恐怖ってありますよね。汚いものに触れられずに避けてしまう。そして、万が一にも触れてしまった場合には、過剰とも言える手洗い行為を繰り返す。
自分も最初、この症状が幼い時に既に出ておりました。何か汚い!!と思えるものに触れるとすぐに手をゴシゴシと洗う。特に、食事の前は頻繁で何を触ってもすぐに手を洗いに 洗い直しに行っておりました。
その時は、苦痛を感じるレベルまでではなかったのですが、どんどん汚いと思える物・範囲が異常なまでに拡大していき、その手洗いという強迫行為が加速していったのを覚えております。
(自分の場合、蟯虫になったのが原因だと思われます)

では、この手洗い行為の激しい方にどういったエクスポージャーを行えば良いかというと、例えば
ゴミ箱に少しずつで良いので手を触れていくようにします。

オイオイ 何を言っているのだ??
と思ったかもしれません。
汚いものに、敢えて立ち向かう? 
ハァー? 出来るわけないじゃないか!!
それが、特に悩みが深く身動きが取れなくなっている人が出来るわけないでしょうー と。


しかし、逆のことをするのが大切なのです。
避けないのです!! 
敢えて、不安となる状態に自らを近づかせていきます。


例えて言うなら、人間関係に於いて、嫌いな人は避けるのが普通だと思われるのですが、
避けるのではなく、自らフレンドリーに挨拶をしていくような感じです。
何なら世間話もしてしまう と言ったようなイメージです。



話を戻し、ゴミ箱の中へいきなり手を思い切って突っ込むというのもありなのかもしれませんが、不安感の増大が激しくなって振れ幅が大き過ぎるが故、やはり小さなレベルで出来ることから徐々に行なっていくのが重要です。その後大きな不安を呼び起こすものに段階を踏みながらトライしていくのが良いかなーと思われます。
そして、不安感が増すので、手を洗いたくなるのですが少しの間我慢します。それで、どんどん不安というものに触れている時間を長めにしていく(ゴミに触れている時間)
その一方でそれに反比例する形で手を洗う時間や回数を減らして
その恐怖や不安に慣れてしまおう というのが、最終的に目指すゴールとなります。




先日の記事に書いたように、自分は中学生の時より、クラスメートを見下しバカにする傾向がありました。そう言ったことを一切思ってはいけない!と思い、過剰なまでに異常なレベルで 
それこそ その観念を徹底的にゼロに 排除しようと
頭の中で目にはつかない 強迫行為=抑制 をかけ続けていました。そして、強迫性障害に罹患。




当時、自分は主治医より
強迫性障害からの脱出』という本を勧められて、読んでエクスポージャーを実践するもあまり上手くいかず、苦戦した記憶があります。
ですが、長きにわたる入院時に、自分なりに再度挑戦し続けました。本を読み返しながら…


思いたくもない → いや 思っても良い → いや 思いまくれ 
いや 常に思っている状態にしろ

と自分なりに、矢印の方向へと考え方を次第にシフト切り替えをし、
一番恐怖感の強い 常に思っている状態 
人をバカにしまくる 見下しまくる表現・フレーズがいつも頭の中にある状態、
1日に何万回も通すという状態を意図的に作り上げました。
まさに「正面衝突状態」と言えますから、反動も激しく、目の焦点もおかしくなって(その結果、悟られまい!と人と目を合わせてお話することが出来ない)しまいましたが、それでもやり続けた結果、

仮に強迫観念が頭の中に自然と湧き起こったとしても 

全部スルー 無視できる 全く気にならない 
という状況を創り上げることが出来ました



強迫性障害に打ち勝ち、脱出を見事に果たしたというわけです!!! 克服です♪



重要なのは、最終的に 強迫観念を完全無視出来る状態になること です。 



今苦労されておられる方には、信じられないかもしれませんが、本当にへっちゃらになります!!
強迫観念に対して、怯えや恐怖感 うっとうしさが全くと言っていいほど、感じなくなります。



注意点は、実行時
・むやみに 浮かんだ強迫観念に抗わないこと・戦わないこと・ムキにならないこと
逆効果で症状が酷くなります)←自分の場合は、抑制したという事例
(一切 思ってはいけない 思いたくなーい)と上から強引な程に抑えつけていた

・その不安をゼロにしようと思わないこと(完璧主義な人ほどやりがち)
人に不安感は、つきものなので… 不安も生きるのに大切な要素です

・逃げたくなり挫折しがちになるが、友好性を持って、小さなレベルから強迫観念とお友達
馴れ親しんでいくこと


ポイントは、エクスポージャーをしっかりと少しずつ、途中途中挫けても良いので実践していくことです。
そんなことをしたら、
逆に辛くなるのでは… 
と思ってしまいエクスポージャーに全く取り組まない
→この状況こそが、しんどさ・辛さを長引かせ負のスパイラルにハマってしまう
原因となります。

入院中に強迫性障害の方何人かとお知り合いになりましたが、この方法を推奨しても誰もやろうとはしませんでした。当然です!不安感がさらに増大して、なお辛くなるのが、目に見えているわけですから…

しかし、重要なのは、一時的には辛くはなるものの強迫から逃げるのではなく、(逃げたい気持ちは、痛いほどよくわかります)
敢えて突入し、その不安感が徐々に軽減されるのを目指す という逆の発想を出来るか!?が、
今後、
寛解出来るか否かの分かれ道となっていきます。
(最初 不安値が極度に一気に上昇しますが、少しずつ実行していくと、下降線を描き始めます)

大切なのでもう一度言います。


強迫観念との正面衝突を恐れないことです!!!徐々にですが、どんどん勇んで立ち向かいます。



2つ目  集中力を養う


もしかすると なーんだ そんなことか??と思ったかもしれません。
ですが、この集中力 あればあるほど、強力な味方となってくれます。
皆さんも集中していて、時間を忘れていたとか、とても目の前の事が捗ったとかご経験があると思います。集中している時って、没頭している為、他の事あまり考えてはいませんよね!

この力を伸ばしていきます。要は、嫌な強迫観念が殆ど浮かばないというのが、そもそも大きなメリットですから(強迫観念がなければ、強迫行為もしなくても済む

なにぶん、強迫性障害の方は、繰り返し繰り返し、脳に嫌いな観念を反芻し、とにかく刷り込んでいるような感じのことを常に行なっていると捉えられますよね。
嫌なことを常にアウトプット ますます脳が観念を記憶し長期記憶に…
完全に全く忘れられない!!という地獄のループにハマっている状態に現状なっていますので、
その結果 治したいのに絶対に治らないのでは!?と将来への別の不安感も同時に増大していくことになってしまいます。
ですが、集中力があると、一時的にも逸れるので、苦しさから解放されることに繫がります。

自分は、当時 精神科医より、読書をすることを勧められました。
受動的と言えるテレビと違い、読書は、能動的にこちらからの働きかけが必要なので、いい結果をもたらすと思います。



3つ目  マインドフルネス瞑想・ヨガ


最近、朝活なども流行っており、される方も多いと思うのですが、結構整うのではないかと…
自分は、瞑想5分ほど毎日やっております。


呼吸に意識を向けたり、今という時間に集中することで、強迫観念に囚われにくくなります!! 面倒くさがらず、習慣化させ、逆にしないと気持ち悪くなる段階までもっていくのが肝要と思っております。



まとめです。

克服にあたり、基本となるのは 1つ目の『暴露反応妨害法』です。しっかりと取り組まれたとしても、不安がどうしても拭いきれなかったとしたら、心療内科・精神科にかかるのも一つの手段だと思います。無理をせずに、少しずつご自分のペースでされていくのが良いかと思います。不安をゼロにしよう!ではなく、
共存状態 = 良い塩梅で不安とも仲良くいられることが重要です。
不安が強いと非常にしんどいのは、本当に自分も経験したのでよく解ります。


でも、治れー!!!と執着するのではなく、もしかすると自分にも克服できるかも??長期的にみた焦らない態度
自分自身が良くなった状態を心の底から信じきることこそが 何よりも大切である!!と私は思います。



強迫性障害で辛く苦しまれている方々の気持ちが少しでも和らぎ
勝利を掴み取れますように…